
「TOEICと英検、どっちが難しいの?」という質問に正直に答えると、「比べる級・スコアと、あなたの得意な技能によって逆転する」が答えです。一概にどちらが上とは言えませんが、条件を揃えれば判断できます。今回はCEFRという共通指標を使って整理しました。
TOEICと英検、どっちが難しいのか気になっていませんか?結論から言うと、同じCEFRレベルで比べた場合、英検の方が難易度は高くなる傾向があります。英検は読む・聞く・書く・話すの4技能すべてが問われるのに対し、TOEICは聞く・読むの2技能のみだからです。ただし、TOEICは問題量が圧倒的に多く「時間との戦い」という点での難しさがあります。この記事では、語彙・問題形式・合格率・対策の難しさを軸に、具体的な数値を使って比較します。
本記事はFP技能士資格保有のトモコが調査・執筆しています。掲載情報は執筆時点のものです。価格・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
✅ 結論:TOEICと英検、どっちが難しい?

「どっちが上か」を判断するには「同じCEFRレベルで比べる」という前提が必要です。その前提を置くと、準備の広さという点で英検の方が難しくなります。ただしTOEICには「時間」という別の難しさがあります。
◆ スピーキング・ライティングが苦手
◆ アカデミックな英語トピックが不得意
◆ 語彙を幅広く覚えることが難しいと感じる
◆ 面接(二次試験)に緊張してしまう
英検は4技能すべてを測るため、準備が広い分だけ難易度が高くなります。
◆ リーディングの処理スピードが遅い
◆ 75分で100問を解き切れない
◆ ビジネス英語の文脈に慣れていない
◆ 時間制限のあるマークシートが苦手
TOEICは問題量が圧倒的に多く、時間内に全問解答できない人が続出します。
📋 TOEICと英検の基本情報・試験の仕組みを整理する

そもそも「測るもの」が違う試験を比べるのは難しいです。まず試験の設計を把握すると、難しさの正体が見えてきます。
TOEICとは:2技能をスコアで測る試験
TOEICは一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施する英語テストです。「リスニング(45分・100問)」と「リーディング(75分・100問)」の合計200問を約2時間でこなし、10〜990点の5点刻みでスコアが出ます。合格・不合格はなく、スコアで英語力の現在地を測る設計です。
問題形式はすべてマークシートです。スピーキングとライティングは測定しません。ビジネスシーン(会議・メール・施設案内・出張手続きなど)を題材にした問題が中心で、オフィスや日常生活における実践的なコミュニケーション能力を測ることが目的です。
英検とは:4技能を合否で評価する試験
英検(実用英語技能検定)は公益財団法人日本英語検定協会が実施する試験です。5級から1級まで7段階の級があり(2025年度から準2級プラスを新設)、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能をすべて測定します。3級以上は一次試験(筆記)と二次試験(スピーキング面接)の2段階構成で、結果は合格・不合格で判定されます。
TOEICがビジネス英語の「聞く・読む」に特化しているのに対し、英検は社会問題・科学・文化・環境などアカデミックなテーマを幅広く扱い、「書く・話す」も含む総合的な英語力を評価します。この設計の違いが、難易度の比較を複雑にしている根本的な理由です。
| 比較項目 | TOEIC L&R | 英検 |
|---|---|---|
| 測定技能 | 2技能(聞く・読む) | 4技能(聞く・読む・書く・話す) |
| 結果の形式 | スコア(10〜990点) | 合格・不合格(級別) |
| 問題形式 | 全問マークシート | マーク+英作文+面接 |
| 試験時間・問題数 | 約2時間・200問 | 級により異なる(2級:約105分+面接) |
| 出題テーマ | ビジネス・日常生活 | 社会・科学・文化など幅広い |
※出典:IIBC公式サイト・英検公式サイト
📊 語彙・問題形式・時間で比べる|難しさの正体を数値で確認する

「難しさ」には複数の側面があります。語彙・時間・問題の種類に分解すると、どちらの方がどういう意味で難しいかが整理できます。
語彙の難しさ:必要な単語数は英検の方が多い
語彙数の観点では、英検の方がより多くの単語知識を求めます。TOEICで高得点を狙うには約10,000語の語彙力が必要とされていますが、英検1級の合格には約15,000語が必要とされています。また、TOEICの平均スコア水準(600点前後)に必要な語彙は約4,000語で、同程度のレベルに相当する英検2級の出題範囲は約5,000語です。単純な語彙数で見ると、英検の方がより幅広い知識を求めます。
加えて、英検は社会問題・環境・科学などアカデミックな語彙が多く、TOEICのビジネス英語とは出てくる単語の傾向が異なります。TOEICのビジネス単語に慣れた人でも、英検の準1級・1級レベルの語彙に面食らうことは珍しくありません。
時間・問題量の難しさ:リーディングはTOEICが厳しい
リーディングの観点ではTOEICの方が時間的に難しいです。TOEICのリーディングパートは75分で100問を解く必要があります。英検1級のリーディングは100分の試験時間内に35問を解けばよく(ライティングとの共有時間)、1問あたりに使える時間には余裕があります。TOEICのペースでは、問題を1問あたり45秒以内で処理し続けなければならず、中上級者でも全問を読み終えられないケースが多いです。
問題の種類:英検は「書く・話す」があるぶん準備が広い
TOEICはリスニングとリーディングのみです。一方、英検の3級以上では一次試験に英作文(ライティング)が加わり、さらに二次試験では面接官と1対1で英語を話す試験(スピーキング)があります。準備しなければならない技能の数が多い分、英検の方が対策の幅が広く、総合的な準備コストは高くなります。
特に英作文では、選択肢がなく白紙の状態から正しい文法で文章を書き上げる必要があります。マークシートのTOEICとは根本的に求められる能力が異なります。選択肢がある問題はある程度の消去法が使えますが、英作文はそれが通用しません。
🌍 CEFRで「同じレベル」を比べると、どっちが難しい?

CEFRという共通指標を使うと「同じ英語力の人がそれぞれの試験に挑んだ場合、どちらが難しく感じるか」が比較できます。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは、英語をはじめとする言語の習熟度をA1〜C2の6段階で表す国際標準規格です。文部科学省がCEFRをもとにTOEICと英検のスコアを対照させたデータがあり、おおまかな目安として以下のように整理されています。
| CEFRレベル | TOEICスコア目安 | 英検の級目安 | 英語力のイメージ |
|---|---|---|---|
| A2 | 〜225点 | 3級 | 中学卒業レベル |
| B1 | 550〜780点 | 2級 | 高校卒業・日常会話レベル |
| B2 | 785〜940点 | 準1級 | 大学入学・上級レベル |
| C1 | 945〜990点 | 1級 | 熟達者・専門業務レベル |
※出典:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」(参考値・目安)
たとえばCEFRのB1レベルに相当するのは「TOEIC550〜780点」と「英検2級合格」です。ここで重要なのは、英検2級に合格するには「書く・話す」も含む4技能で合格基準を満たす必要があるのに対し、TOEICの550点は「聞く・読む」だけを測った結果だという点です。同じCEFRのB1レベルでも、英検2級の方がより多くの技能を問われます。
この観点から言うと、英検2級はTOEIC550〜780点に「相当するレベルの英語力」があっても、スピーキングと英作文が苦手なら不合格になります。TOEICは550点を取れる英語力があれば、スピーキングが苦手でもスコアが出ます。同じ英語力の人が受けた場合、英検の方が不合格になるリスクが高いという意味では「難しい」と言えます。
🤔 あなたにとってどっちが難しい?|得意・不得意別の判断フロー

「客観的にどちらが難しいか」とは別に、「あなた自身にとってどちらが難しく感じるか」は得意技能によって変わります。この視点が抜けると試験選びで遠回りします。
スピーキング・ライティングが苦手な人は英検の方が難しく感じる
英語を読む・聞くことは問題なくできるが、書く・話すことは自信がないという人は、英検の方が難しく感じます。英検3級以上の二次試験(面接)では、面接官と英語で会話し質問に答える必要があります。リーディングやリスニングをどれだけ得点しても、二次試験で合格基準を下回れば不合格です。TOEICにはスピーキングの評価がないため、「聞く・読む」の得意な人にはTOEICの方が取り組みやすい試験です。
時間内に問題を解き切ることが苦手な人はTOEICの方が難しく感じる
丁寧に読めば理解できるが、速読・速聴が苦手という人には、TOEICの方が難しく感じます。TOEICのリーディングは75分で100問をこなすペース管理が必要で、英語力があっても時間が足りずに最後まで到達できないケースが多いです。英検では時間的なプレッシャーは相対的に低く、問題を落ち着いて読む余裕があります。
合格率で比べると:英検の方が合格が難しい水準
英検の合格率は級によって異なりますが、2級は約25〜30%、準1級は約15%前後とされています。一方、TOEICはスコア制のため「合格・不合格」という概念がなく、受験すればかならず何らかのスコアが出ます。受験者全員にスコアが出るTOEICと、合否があり上位25〜30%しか合格しない英検2級を比べると、合格を勝ち取るという意味での難しさは英検の方が高いと言えます。
📝 トモコはこう判断する

「客観的な難しさ」と「あなたにとっての難しさ」は別物です。この2つを分けて考えると、どちらを先に受けるべきかが見えてきます。
「どっちが難しいか」を客観的な指標だけで答えるなら、英検の方が難しい傾向があります。理由は3点です。第一に、4技能すべてに合格基準を求めるため準備の幅が広い。第二に、語彙の難易度が上位級ほど高く、準1級・1級レベルでは必要語彙数がTOEICの最高水準を上回る。第三に、英作文や面接という「消去法が使えない」問題形式がある。これらを総合すると、同じCEFRレベルの人が挑んだ場合、英検の方が難易度は高いと判断します。
ただし、TOEICには「時間との戦い」という独自の難しさがあります。200問を2時間で解く問題量の多さは、英語力があってもスコアに直結する壁です。TOEIC900点以上を目指す上級者にとって、この「全問解き切るスピード」の習得は英検1級の語彙習得と同等かそれ以上に難しいと感じる人もいます。
私が「どちらを先に受けるべきか」と聞かれたときの答えは、「目的で決める」の一点に尽きます。就職・転職を控えているならTOEICを先に、大学受験・推薦入試があるなら英検を先に受けてください。両方受ける時間的余裕があるなら、英語力を最も幅広く証明できるのは英検準1級以上です。ただし、まずTOEICで基礎スコアを作ってから英検上位級に挑む順序が、学習効率の観点では現実的です。
❓ よくある質問(FAQ)

難易度の比較で特に誤解が多い点をQ&A形式でまとめました。「どちらかを取ると、もう一方は楽になるか」という質問が一番多いです。
Q. 英検2級に合格していれば、TOEICは高得点が取れますか?
A. 必ずしもそうとは言えません。英検2級はCEFRのB1相当で、TOEICで言えば550〜780点の水準に当たります。しかし英検2級の合格者のTOEIC平均スコアは517点というデータがあります。英検2級はスピーキングや英作文が評価されますが、TOEICはリーディングのスピードが鍵を握るため、英検向けの学習だけではTOEICのスコアが伸びにくい場合があります。英検に合格したあとは、TOEICに特化した問題形式の対策が別途必要です。
Q. TOEICで900点取れる人は英検準1級に受かりますか?
A. CEFR上はTOEIC900点以上と英検準1級がB2〜C1に重なりますが、自動的に合格できるわけではありません。英検準1級にはライティング(英作文・要約問題)と面接(スピーキング)があり、「聞く・読む」だけのTOEICとは異なるスキルが問われます。TOEIC900点台の実力があっても、英検準1級のライティングや面接対策を別途行わなければ不合格になるケースは珍しくありません。
Q. 英検とTOEICはどちらを先に受けた方がいいですか?
A. 目的で決めてください。就職・転職活動で英語力をアピールしたいならTOEICを先に、大学受験・推薦入試で使うなら英検を先に受けるのが合理的です。どちらか一方だけで十分なケースも多く、「とりあえず両方」は準備の分散につながりやすいです。まず一方を集中的に取得してから、次を検討する順序が学習効率を高めます。
Q. 英検1級とTOEIC満点(990点)はどちらが難しいですか?
A. どちらも最高水準ですが、「英検1級に余裕で合格するレベル」の方がTOEIC990点より難しいとする見方が多いです。英検1級合格には約15,000語の語彙力に加えてスピーキング・英作文も求められます。一方TOEIC990点は200問すべてを1〜2問以内の誤りに抑える精度が必要で、「ミスしない集中力」という別の難しさがあります。どちらが上かは測る基準によって変わりますが、英語力の幅広さという意味では英検1級の方が難しいと言えます。
📌 まとめ・選び方チェックリスト

難易度の話は「自分にとってどちらが難しいか」で最終判断を。客観的な難しさと主観的な難しさを区別して考えると、試験選びで迷いがなくなります。
TOEICと英検の難易度を整理すると、以下のようになります。同じCEFRレベルで比べると英検の方が準備の幅が広く客観的に難しい傾向がある一方、TOEICは時間的な難しさという別のハードルがあります。「自分にとってどちらが難しいか」は得意な技能によって変わります。以下のチェックリストで自分の状況を確認してください。
- 英語を話す・書くことが苦手
- アカデミックな語彙・テーマが不得意
- 面接(スピーキング試験)に緊張してしまう
- 年3回しかないチャンスに合わせて準備が難しい
- 英語の処理スピードが遅く時間が足りない
- 75分100問のペースで読み切ることが難しい
- ビジネス英語特有の語彙・場面に慣れていない
- 900点以上の高スコアを目指していてミスが命取り
※ 当記事はファクトチェック済みです。掲載している価格・制度・数値は執筆時点の情報です。変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
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