
「除湿のほうが電気代は安いはず」と思って、梅雨も真夏もドライ運転にしていませんか。実はこの答え、エアコンの除湿方式と外気温によって入れ替わります。同じ除湿でも冷房の半分以下になる場面があれば、冷房より3割以上高くなる場面もあるんです。今回は公開されている試験データをもとに、その分かれ目を金額で整理しました。
エアコンの冷房と除湿(ドライ)、電気代はどっちが安いのか迷っていませんか。結論は、梅雨どきに弱冷房除湿の機種を使うなら除湿が安く、真夏の暑い日や再熱除湿の機種では冷房のほうが安くなります。
弱冷房除湿を1日8時間使うと、梅雨の1か月で冷房との差は約1,689円です。これは同じエアコンで冷房をさらに約136時間(1日8時間で約17日分)動かせる電気代に相当します。
この記事では、除湿の3つの方式ごとの電気代、外気温約28℃の実測で起きる逆転、自分のエアコンの方式の見分け方まで、判断に必要な数字をまとめました。
本記事はFP技能士資格保有のトモコが調査・執筆しています。掲載情報は執筆時点のものです。価格・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
- ✅ 結論:冷房と除湿の電気代、どっちがおすすめ?
- 📌 冷房と除湿の仕組み|除湿は「弱冷房」「再熱」「ハイブリッド」の3方式
- 📌 梅雨の電気代を徹底比較|弱冷房除湿は1か月約1,280円、再熱除湿は約4,025円
- 📌 真夏は逆転する|外気温約28℃の実測では冷房が月約552円安い
- 📌 自分のエアコンの除湿方式を見分ける|メーカー別の名称一覧
- 📌 条件別|冷房と除湿、どっちを選ぶべきかの判断フロー
- 📌 方式以外でも差がつく|使い方と機種で冷房シーズンの電気代を下げる
- 📌 よくある間違い・注意点|「除湿=節電」の思い込みが一番高くつく
- 📌 トモコはこう判断する
- 📌 よくある質問(FAQ)
- 📌 まとめ|冷房と除湿の選び方チェックリスト
- 🔍 この記事のファクトチェックについて
✅ 結論:冷房と除湿の電気代、どっちがおすすめ?

最初に確認したいのは「季節」と「除湿方式」の2つだけです。この2つで、どちらが安いかはほぼ決まります。
◆ 外気温30℃前後の真夏に使う
◆ 除湿が再熱除湿方式の機種
◆ 室温そのものを下げたい
真夏と再熱除湿の機種では、冷房のほうが電気代を抑えられます。
◆ 梅雨どきで気温は高くない
◆ 除湿が弱冷房除湿方式の機種
◆ ジメジメだけを取りたい
梅雨の弱冷房除湿なら、電気代は冷房の半分以下になります。
東京電力が公開している試験(室内・室外とも24℃、湿度80%)では、1時間あたりの電気代は冷房が約12.4円、弱冷房除湿が約5.3円、再熱除湿が約16.8円でした。梅雨の条件なら、弱冷房除湿がいちばん安いのは確かです。
ところが、外気温約28℃で測った実測では、同じ弱冷房除湿が冷房より約3割高くなっています。除湿が安いかどうかは、機種の方式と季節の組み合わせで決まります。この関係を1枚にまとめたのが、次の図です。
図の数字は、それぞれの条件で冷房の電気代を100としたときの除湿の電気代です。試験した部屋や機種が違うため、季節どうしの金額は比べず、同じ条件の中での冷房との比として読んでください。
📌 冷房と除湿の仕組み|除湿は「弱冷房」「再熱」「ハイブリッド」の3方式

「除湿」とひとくくりにすると判断を誤ります。除湿には方式が3つあり、電気代の順番がまったく違うんです。
冷房も除湿も、空気を冷やして水分を取る点は同じ
エアコンは、取り込んだ空気を熱交換器で冷やし、空気中の水分を結露させて室外へ排出します。冷房も除湿もこの原理は同じで、違うのは「温度を下げること」と「湿度を下げること」のどちらを優先するかです。
ダイキンのよくある質問でも、冷房と除湿は使用の目的が異なり、温度や湿度、設定によって電気代は変わると説明されています。つまり「除湿だから安い」という単純な関係ではありません。
除湿の3方式と電気代の順番
除湿の方式ごとの特徴を整理すると、次のようになります。電気代の欄は、同じ条件で冷房と比べたときの傾向です。
| 方式 | 電気代 | 室温 |
|---|---|---|
| 弱冷房除湿 | 冷房より安い | 下がる |
| 再熱除湿 | 冷房より高い | 少し下がる |
| ハイブリッド | 冷房より安い | 下がりにくい |
※出典:ダイキン「冷房と除湿の電気代の比較」、日立「冷房と除湿の電気代」(2026年9月時点)|当サイトが独自に作成
弱冷房除湿は、冷房を弱めに動かして湿度を下げる方式です。風量や能力を抑えるぶん電気代は安くなりますが、室温も一緒に下がるため、梅雨の肌寒い日には寒く感じることがあります。
再熱除湿は、除湿で冷えた空気をもう一度温めてから部屋に戻す方式です。室温を下げずに湿気だけを取れるのが長所で、その代わりに温め直す電力が上乗せされます。日立は再熱除湿について、空気を暖める分だけ冷房より電気代がかかると説明しています。
ハイブリッド方式は、室温の低下を抑えながら冷房より少ない電力で除湿する方式です。ダイキンでは2013年以降のモデルにハイブリッド方式、2022年以降のモデルにリニアハイブリッド方式が搭載されています。
メリット
デメリット
メリット
デメリット
同じ「除湿」ボタンでも、弱冷房除湿と再熱除湿では電気代が約3倍違います。まず自分のエアコンがどの方式なのかを知ることが、節約の出発点です。見分け方は後半で詳しく解説します。
📌 梅雨の電気代を徹底比較|弱冷房除湿は1か月約1,280円、再熱除湿は約4,025円

梅雨の条件では、弱冷房除湿は冷房の半分以下です。逆に再熱除湿は冷房より約36%高くなります。
1時間あたりの電気代(室内外24℃・湿度80%)
東京電力の試験では、室内・室外とも24℃、湿度80%という梅雨を想定した条件で、冷房は0.399kW、弱冷房除湿は0.172kW、再熱除湿は0.541kWの電力を使いました。元の試験は2002年のもので、同社が2025年時点の機種の効率に合わせて補正した値です。
これに全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhを掛けると、1時間あたりの電気代は次のとおりです。
| 運転 | 消費電力 | 1時間 | 冷房比 |
|---|---|---|---|
| 冷房 | 0.399kW | 約12.4円 | 100 |
| 弱冷房除湿 | 0.172kW | 約5.3円 | 43 |
| 再熱除湿 | 0.541kW | 約16.8円 | 136 |
※出典:東京電力くらひろ「エアコン除湿の電気代」(室内外24℃・湿度80%)、目安単価31円/kWh(2026年9月時点)|当サイトが独自に作成
弱冷房除湿は冷房の約43%、再熱除湿は冷房の約136%にあたります。同じ「除湿」でも、方式によって1時間あたり約11.5円の差が開く計算です。
1か月(1日8時間×30日)の電気代シミュレーション
梅雨の1か月間、毎日8時間ずつ運転した場合の電気代を試算しました。計算式は「消費電力×8時間×30日×31円」です。
梅雨の1か月では、弱冷房除湿が約1,280円、冷房が約2,969円、再熱除湿が約4,025円になりました。弱冷房除湿と冷房の差は約1,689円、再熱除湿と冷房の差は約1,056円です。
再熱除湿の機種で「節電のつもりで除湿」を続けると、冷房より毎月1,000円以上高くつきます。機種の方式を知らないまま除湿を選ぶことが、いちばん損をしやすいパターンです。
再熱除湿を使うなら「最初の2時間だけ」に区切る
再熱除湿は、部屋干しの直後や雨で肌寒い夜など、室温を下げたくない場面では便利です。そこで、再熱除湿を最初の2時間だけ使い、残りの6時間を別の運転に切り替えた場合を試算しました。
| 1日8時間の使い方 | 梅雨の1か月 |
|---|---|
| 再熱除湿を8時間 | 約4,025円 |
| 再熱2時間+冷房6時間 | 約3,233円 |
| 冷房を8時間 | 約2,969円 |
| 再熱2時間+弱冷房除湿6時間 | 約1,966円 |
※出典:東京電力くらひろの消費電力をもとに当サイトが独自に試算(30日・31円/kWh・2026年9月時点)
再熱除湿を8時間続けると約4,025円ですが、2時間で弱冷房除湿に切り替えれば約1,966円と、半分以下に抑えられます。再熱除湿は「つけっぱなしにしない機能」と考えると、快適さと電気代を両立できます。
使用時間別の月額|在宅ワークで1日12時間なら差は約2,533円
電気代は運転時間に比例して増えます。1日の使用時間ごとに、梅雨の30日間の電気代を並べました。単価は31円/kWhです。
| 1日の使用 | 冷房 | 弱冷房除湿 | 再熱除湿 | 冷房との差 |
|---|---|---|---|---|
| 4時間 | 約1,484円 | 約640円 | 約2,013円 | 約844円 |
| 8時間 | 約2,969円 | 約1,280円 | 約4,025円 | 約1,689円 |
| 12時間 | 約4,453円 | 約1,920円 | 約6,038円 | 約2,533円 |
| 24時間 | 約8,906円 | 約3,839円 | 約12,075円 | 約5,067円 |
※出典:東京電力くらひろの消費電力(室内外24℃・湿度80%)をもとに当サイトが独自に試算(30日・31円/kWh・2026年9月時点)。冷房との差は冷房と弱冷房除湿の差
帰宅後の4時間だけ使う一人暮らしなら、弱冷房除湿に切り替えても月の差は約844円です。一方、在宅ワークで日中も使う家庭なら1日12時間で約2,533円、24時間つけっぱなしなら約5,067円まで開きます。
使う時間が長い家庭ほど、方式の選び方が家計に効いてきます。反対に、短時間しか使わないなら方式を気にしすぎる必要はありません。
電気料金の単価別|単価40円なら差は月約2,179円
31円/kWhは家電の比較に使う目安単価で、実際の単価は契約している電力会社やプラン、燃料費調整額で変わります。検針票の単価が高い家庭ほど、方式による差も大きくなります。
| 単価 | 冷房 | 弱冷房除湿 | 再熱除湿 | 冷房との差 |
|---|---|---|---|---|
| 31円/kWh | 約2,969円 | 約1,280円 | 約4,025円 | 約1,689円 |
| 35円/kWh | 約3,352円 | 約1,445円 | 約4,544円 | 約1,907円 |
| 40円/kWh | 約3,830円 | 約1,651円 | 約5,194円 | 約2,179円 |
※出典:東京電力くらひろの消費電力をもとに当サイトが独自に試算(1日8時間×30日・2026年9月時点)。冷房との差は冷房と弱冷房除湿の差
自分の単価で計算したいときは、「消費電力×使用時間×単価」に当てはめるだけです。たとえば単価38円なら、弱冷房除湿と冷房の1か月の差は、0.227kW×240時間×38円で約2,070円になります。
📌 真夏は逆転する|外気温約28℃の実測では冷房が月約552円安い

「梅雨に安かった除湿」が、真夏も安いとは限りません。暑い日は冷房に切り替えるほうが得になることがあります。
外気温28℃前後の実測では、弱冷房除湿が冷房の約1.3倍
ここまでの数字は、外気温24℃という梅雨の条件です。電力比較サイトのENECHANGEが11畳の部屋で行った実測では、外気温約28℃、設定温度26℃、風量自動、各3時間の条件で、結果が逆になりました。
| 項目 | 冷房 | 弱冷房除湿 |
|---|---|---|
| 計測日 | 6月29日 | 7月4日 |
| 外気温 | 28.30℃ | 28.29℃ |
| 外の湿度 | 73.87% | 65.98% |
| 3時間の電力量 | 745.63Wh | 968.13Wh |
| 1時間の電気代 | 約7.7円 | 約10.0円 |
| 1か月(8時間×30日) | 約1,849円 | 約2,401円 |
※出典:ENECHANGE「エアコンの冷房と除湿の電気代」実測(11畳・設定26℃・12時〜15時)。1か月は当サイトが31円/kWhで独自に試算(2026年9月時点)
弱冷房除湿の電力量は冷房の約1.3倍で、1か月(1日8時間×30日)に直すと冷房が約1,849円、弱冷房除湿が約2,401円です。真夏に弱冷房除湿を使い続けると、冷房より月に約552円高くなる計算です。
ただし、この実測は冷房と除湿を別の日に測っており、外の湿度も約8ポイント違います。1回の実測なので、どの機種でも必ず逆転するとは言い切れません。とはいえ「真夏は除湿のほうが安い」とも言えないことは、はっきり示しています。
真夏に除湿が高くなる理由
弱冷房除湿は、風量や冷やす力を抑えて運転する方式です。外気温が高い日は部屋に入ってくる熱が多く、弱い運転では設定温度まで下げきれないまま運転が長く続くことが、電力量が増える原因の一つと考えられます。
冷房は、しっかり冷やして設定温度に届くと運転を弱めます。暑い日ほど「一気に冷やして、あとは弱く保つ」冷房のほうが効率よく動く場面がある、ということです。
切り替えの目安は「気温30℃」と「湿度70%」
パナソニックは除湿モードの使い方のコラムで、気温30℃以上なら冷房、30℃未満なら除湿を目安にし、湿度70%以上で除湿モードを活用するよう案内しています。梅雨時のように気温が低く湿度が高い日は、除湿モードが向いているとしています。
先ほどの実測は外気温約28℃ですでに逆転していたので、私は「30℃」を上限の目安と考えています。天気予報の最高気温が28℃を超えそうな日は冷房から試し、電気代の明細で確かめるのが確実です。
真夏の節約は「除湿に切り替える」より「設定温度を1℃上げる」
パナソニックによると、夏の冷房は設定温度を1℃上げると消費電力を約13%削減できます。資源エネルギー庁の試算でも、外気温31℃のときに冷房の設定温度を1℃上げると、年間で約940円の節約になります(2.2kWの機種・1日9時間使用)。
真夏の冷房1か月約1,849円に13%を当てはめると、約240円の節約です。真夏は除湿に切り替えるより、冷房のまま設定温度を1℃上げるほうが、確実に電気代を下げられます。
📌 自分のエアコンの除湿方式を見分ける|メーカー別の名称一覧

取扱説明書やリモコンの「除湿」の名前を見れば、方式はたいてい分かります。まずは名称をチェックしてみてください。
メーカー別の除湿機能の名称と方式
主なメーカーの公式情報から、除湿機能の名称と方式を整理しました。同じメーカーでもシリーズや年式で搭載機能が違うため、手元の機種の取扱説明書で最終確認してください。
| メーカー | 名称の例 | 方式 |
|---|---|---|
| 日立 | カラッと除湿 | 再熱除湿 |
| 日立 | 3モード除湿 | 弱冷房 |
| 三菱電機 | さらっと除湿冷房 | 冷房+再熱 |
| 三菱電機 | 選べる3モード除湿 | 弱冷房 |
| シャープ | 現行モデルの除湿 | 弱冷房 |
| ダイキン | ハイブリッド方式 | ハイブリッド |
| パナソニック | 快適除湿 | 再熱ではない |
※出典:日立・三菱電機・シャープ・ダイキン・パナソニック各社公式サイト(2026年9月時点)|当サイトが独自に作成
日立の「カラッと除湿」は再熱除湿方式で、同社は冷房より若干電気代がかかると説明しています。三菱電機の「さらっと除湿冷房」は、冷房と再熱除湿を自動で切り替える機能です。どちらも快適さを優先した機能なので、電気代を抑えたい日は弱冷房系の除湿や冷房を選ぶと安くなります。
シャープは、現行モデルの除湿は弱冷房除湿で冷房より少し安くなる一方、2012年以前の一部モデルは再熱除湿で冷房より少し高くなると案内しています。10年以上前のエアコンを使っている家庭ほど、除湿が割高になっている可能性に注意が必要です。
取扱説明書がないときの見分け方
取扱説明書が見当たらない場合は、本体の型番をメーカーの公式サイトで検索すると、電子版の取扱説明書を確認できることが多いです。除湿の説明に「再熱」「室温を下げずに」「カラッと」などの言葉があれば、再熱除湿を搭載している目安になります。
運転中の室温の変化も手がかりになります。除湿運転で室温がしっかり下がるなら弱冷房除湿、湿度は下がるのに室温がほとんど変わらないなら再熱除湿やハイブリッド方式の可能性が高いと考えられます。
確かめるときは、温湿度計を部屋の中央付近に置き、除湿運転を始める前と30分ほど運転したあとの数字を比べます。窓の開け閉めや人の出入りで数字が動くので、同じ条件で2〜3回試すと判断がぶれません。
再熱除湿を搭載した機種でも、多くは弱冷房系の除湿モードも選べます。リモコンに除湿モードが複数あるなら、電気代を抑えたい日は室温が下がるほうのモードを選ぶのがコツです。
📌 条件別|冷房と除湿、どっちを選ぶべきかの判断フロー

判断の順番は「方式→気温→設定温度」です。この順に確認すれば、迷わず選べます。
梅雨どき(外気温24℃前後)で弱冷房除湿の機種なら除湿
気温がそれほど高くなく湿度だけが高い梅雨どきは、弱冷房除湿がいちばん安い選択です。1日8時間なら、冷房より1か月約1,689円安くなります。肌寒く感じたら、設定温度を上げて調整してください。
外気温が28〜30℃を超える真夏なら冷房
真夏は、弱冷房除湿でも冷房より高くなる実測があります。暑い日は冷房を選び、設定温度を1℃上げて節約するのが効率のよい使い方です。湿度が気になる場合も、冷房運転で湿度は下がります。
再熱除湿の機種なら、季節を問わず冷房が安い
再熱除湿は冷房の約1.36倍の電気代がかかるため、どの季節でも冷房のほうが安くなります。再熱除湿を使うのは、梅雨の肌寒い日や部屋干しなど、室温を下げたくない場面に限るのが節約のポイントです。
よくある3つの場面
寝る前の数時間だけ使う梅雨の夜は、弱冷房除湿で十分です。8月の日中に長く使うなら、冷房にして設定温度で調整するほうが安くなります。部屋干しで再熱除湿を使う日は、乾いたタイミングで運転を切り替えると、上乗せ分を最小限にできます。
サーキュレーターで空気を回すと、冷房や除湿の効きが部屋全体に広がりやすくなります。サーキュレーターと扇風機の違いは、こちらの記事で比較しています。
📌 方式以外でも差がつく|使い方と機種で冷房シーズンの電気代を下げる

冷房か除湿かを選んだあとも、使い方と機種しだいで電気代はまだ下げられます。
使い方の見直しで年間約2,510円
資源エネルギー庁は、エアコンの使い方ごとの省エネ効果を公表しています。冷房に関係する3つを並べると、次のとおりです。
| 見直し | 年間の節約 | 試算の条件 |
|---|---|---|
| 設定温度を1℃上げる | 約940円 | 外気温31℃ |
| 冷房を1日1時間短く | 約580円 | 設定28℃ |
| フィルターを月1回掃除 | 約990円 | 汚れと比較 |
| 3つの合計 | 約2,510円 | 合算 |
※出典:資源エネルギー庁 省エネポータル「空調」(2.2kWの機種・2026年9月時点)|合計は当サイトが独自に作成
3つを合わせると年間約2,510円で、梅雨の1か月に弱冷房除湿を選んだときの差約1,689円を上回ります。冷房か除湿かの選択と、使い方の見直しを組み合わせるのが節約の近道です。
同じ14畳用でも、機種の省エネ性能で年間約5,146円の差
パナソニックは2026年モデルの冷房の電気代を公表しています。14畳用のXシリーズ(CS-X406D2)は1時間約3.8円、Jシリーズ(CS-406DJR2)は約5.9円で、冷房期間の消費電力量は297kWhと463kWhです。
この差166kWhに31円を掛けると、冷房シーズンだけで年間約5,146円になります。計算の前提は東京の木造南向きの住宅で、5月23日から10月4日までの135日間、6時から24時まで設定27℃で使う条件です。
東京電力の試験の冷房1時間約12.4円と比べて安く見えるのは、シーズン全体の平均で、涼しい時間帯の弱い運転も含むためです。電気代の数字は条件で大きく変わるので、記事内でも同じ条件の中で比べるようにしています。
買い替えるなら、カタログで除湿方式を確認する
エアコンを買い替えるときは、冷房の省エネ性能に加えて、除湿の方式も確認しておくと安心です。各社の公式情報では、2026年モデルの除湿機能は次のように案内されています。
| メーカー | 確認したい機能 | 内容 |
|---|---|---|
| ダイキン | リニアハイブリッド | 2022年以降 |
| パナソニック | 快適除湿 | X・EX・GX・LV |
| パナソニック | 設定湿度 | 50・55・60% |
| 三菱電機 | スマート除湿 | R・S・XD |
※出典:ダイキン・パナソニック・三菱電機 各社公式サイト(2026年9月時点)|当サイトが独自に作成
パナソニックの2026年モデルでは、冷房除湿の設定温度を16〜30℃の範囲で選べます。肌寒い日は高めの温度に設定すれば、弱冷房系の除湿のまま冷えすぎを抑えられます。
カタログや店頭で「再熱」と書かれた機能は、快適さの代わりに電気代が上乗せされる機能です。梅雨の肌寒さや部屋干しを重視するなら再熱除湿のある機種、電気代を優先するなら弱冷房除湿やハイブリッド方式を中心に使える機種を選ぶと、買ったあとに迷いません。
部屋干しだけが目的なら、除湿機も比較に入れる
部屋干しの湿気取りが目的なら、エアコン以外に衣類乾燥除湿機という選択肢もあります。メーカー公表の消費電力をもとに、1時間あたりの電気代を並べました。
| 機器 | 消費電力 | 1時間 |
|---|---|---|
| 弱冷房除湿 | 0.172kW | 約5.3円 |
| 再熱除湿 | 0.541kW | 約16.8円 |
| コンプレッサー式 | 160〜180W | 約5.0〜5.6円 |
| デシカント式 | 285W | 約8.9円 |
※出典:東京電力くらひろ(室内外24℃・湿度80%)、コロナ CD-P6325(2025年モデル・50Hz/60Hz)、パナソニック F-YZX60B(除湿運転・メーカー公表値)。31円/kWhで当サイトが独自に作成
コンプレッサー式の除湿機は、エアコンの弱冷房除湿とほぼ同じ水準です。デシカント式はパナソニックの公表値で1時間約8.9円と、エアコンの再熱除湿よりは安くなっています。
ただし除湿機は部屋を冷やせず、デシカント式は運転中に室温が上がりやすい機器です。暑い季節の部屋干しはエアコン、梅雨の肌寒い日に洗濯物のそばで使うなら除湿機、と場面で分けると無駄がありません。
📌 よくある間違い・注意点|「除湿=節電」の思い込みが一番高くつく

いちばん多い失敗は、再熱除湿の機種で「節電のため」と除湿を使い続けることです。
除湿ボタンを押すだけで節電になると考えるのは危険です。再熱除湿の機種では、梅雨の1か月(1日8時間)で冷房より約1,056円高くなります。まず方式を確認し、再熱除湿なら冷房を基本にするのが、損をしない使い方です。
フィルター掃除も見落としやすいポイントです。資源エネルギー庁によると、フィルターが目詰まりしたエアコンと、月1回掃除したエアコンでは、年間で約990円の差が出ます。冷房か除湿かを選ぶ前に、まずフィルターを確認しておきましょう。
よく聞く「28℃」は、エアコンの設定温度ではありません。環境省はクールビズを始めた当時、法令の基準をもとに室温28℃を呼びかけていましたが、それは設定温度ではなく室温の目安でした。現在は室温の具体的な目安の呼びかけは行っていません。
室温は、日当たりや部屋の広さで設定温度とずれます。暑さを我慢して体調を崩しては本末転倒なので、温度計で室温を確かめながら、無理のない設定にしてください。
📌 トモコはこう判断する

私の判断軸はシンプルです。「方式を知る、季節で切り替える、設定温度で調整する」。この3つで十分です。
私がまず確認するのは、エアコンの除湿方式です。再熱除湿なら、季節に関係なく冷房を基本にします。梅雨の1か月だけでも冷房より約1,056円高くなるので、室温を下げたくない日以外に使う理由がありません。
弱冷房除湿の機種なら、次に季節で切り替えます。梅雨どきは除湿、外気温が28℃を超える真夏は冷房、というのが私のルールです。1日8時間使う家庭なら、梅雨の1か月だけで約1,689円の差になります。
最後に設定温度です。真夏に除湿へ切り替えても安くならないので、冷房のまま設定温度を1℃上げます。約13%の削減は、方式を変えるより確実です。
■ 冷房と除湿の使い分け三段階
取扱説明書やリモコンの名称で確認。再熱除湿なら冷房を基本にし、除湿は室温を下げたくない日だけにします。
弱冷房除湿の機種なら、梅雨どきは除湿、外気温28〜30℃を超える日は冷房へ。梅雨の1か月で約1,689円の差です。
真夏は冷房のまま設定温度を1℃上げて約13%の節約。フィルターの月1回掃除も合わせて行います。
※ 当サイトが独自に作成(推奨ルート)
ただし、ここで使った数字は公開されている試験と実測をもとにした目安です。部屋の広さや断熱、機種の性能で実際の電気代は変わります。気になる方は、切り替えた月の電気料金の明細で使用量を比べてみてください。
📌 よくある質問(FAQ)

「除湿は冷房より安い」という思い込みは、方式と季節で簡単にひっくり返ります。
Q. 除湿は冷房より必ず安いのではないのですか?
A. いいえ。梅雨の条件で弱冷房除湿を使う場合は冷房の約43%と安くなりますが、再熱除湿は冷房の約136%、外気温約28℃の実測では弱冷房除湿も冷房の約1.3倍でした。方式と季節によって答えが変わります。
Q. 除湿運転にすると寒くなるのはなぜですか?
A. 弱冷房除湿は冷房を弱めに動かす方式のため、湿度と一緒に室温も下がるからです。寒いときは設定温度を上げるか、室温を下げずに除湿できる再熱除湿やハイブリッド方式のモードを使います。ただし再熱除湿は電気代が高くなります。
Q. 部屋干しには冷房と除湿のどちらが向いていますか?
A. 湿気を取りたい部屋干しには除湿が向いています。衣類乾燥モードがある機種ならそれを使うのが効率的です。再熱除湿は1時間約16.8円と高めなので、乾いたら運転を切り替えましょう。
Q. 古いエアコンでも同じ結論ですか?
A. 古い機種ほど再熱除湿の可能性に注意が必要です。シャープは2012年以前の一部モデルが再熱除湿方式だったと案内しています。取扱説明書で方式を確認し、再熱除湿なら冷房を基本にしてください。
Q. 除湿の湿度は何%に設定すればいいですか?
A. パナソニックの解説では、快適さの目安は湿度50〜60%です。同社の2026年モデルには、冷房除湿の設定湿度を50%・55%・60%から選べる機種があります。まずは60%から試し、ジメジメが残るときに下げていくのがおすすめです。
Q. エアコンの除湿と除湿機、電気代が安いのはどちらですか?
A. 1時間あたりでは、エアコンの弱冷房除湿が約5.3円、コンプレッサー式の除湿機が約5.0〜5.6円でほぼ同じです。デシカント式の除湿機は約8.9円、エアコンの再熱除湿は約16.8円です。除湿機は部屋を冷やせないため、暑い日はエアコンを使いましょう。
Q. 電気料金の単価が31円と違う場合はどう計算しますか?
A. 「消費電力×使用時間×単価」で計算します。差額は単価に比例するので、単価40円なら梅雨の1か月(1日8時間)の冷房と弱冷房除湿の差は約2,179円になります。
📌 まとめ|冷房と除湿の選び方チェックリスト

迷ったら「方式→季節→設定温度」の順に確認すれば、冷房と除湿の選択で損をしません。
冷房と除湿のどちらが安いかは、除湿の方式と季節で決まります。梅雨どきの弱冷房除湿なら冷房の半分以下、真夏や再熱除湿の機種なら冷房のほうが安いというのが、今回の結論です。
自分に当てはまる項目をチェックしてみてください。
- 外気温が28〜30℃を超える日に使う
- エアコンが再熱除湿方式である
- 室温をしっかり下げたい
- 真夏に長時間つけている
- 梅雨どきで気温がそれほど高くない
- エアコンが弱冷房除湿方式である
- ジメジメだけを取りたい
- 部屋干しの湿気を減らしたい
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